二種類の書店が存在する

ガケ書房の頃

ガケ書房の頃

読んだ。

ガケ書房の誕生からホホホ座に至るまで、店主の過去から現在に至る物語が書いてある。

昔京都の左京区に住んでいたことがあって、その頃同棲していた彼女が京都造形芸術大学に通っていたこともあり、ガケ書房の前は何度も通り過ぎたことがあるのだけど一度も入ったことはなかった。その頃は毎日が忙しく心に余裕がなかったせいかもしれない、入ってみようかという気がなぜか起こらなかった。

京都での生活は散々な結果に終わり、同棲していた彼女とも別れ、そんなこんなで京都にはあまり良い思い出がないけれど、大阪に移り住んでからもいつかガケ書房に行ってみたいなと思っていた。しかし今はもう存在しない。

本の中で印象的だったのは「書店には確認のための書店と発見のための書店がある」といった内容の文章だ。

確認のための書店というのは、コロコロコミックやジャンプなど名前を知っている本を探しに行く書店。探している本は決まっていて、それがそこにあることが重要な書店。自分も紀伊國屋ジュンク堂など大型書店によく入るが、目的は新書や新刊の目立つ棚を見て回ることで、世の中の流行や雰囲気を知ることだったりして、そういうことも「確認」ということに含まれるのかもしれない。

対して発見のための書店というのは、自分が知らなかったり、そこに行くまで興味もなかったような本に出会うということが目的の書店。提案型という言葉にも置き換えられるかもしれない。こじんまりとした古本屋や個人書店が思い当たる。ガケ書房もそういった書店であったようだ。

そういった書店に対する考えが書いてあったり、本を読むことであったり、大きく言うと生き方とか、色々な視点について考えさせられる本でもあり、個人的なエッセイのようでもあり、とても面白い本でした。